社会的学習に基づく新しいトレーニング手法「Do As I Do」

Do As I Do: A New Training Method Based on Social Learning (Tawzer Dog)

Do As I Do: A New Training Method Based on Social Learning (Tawzer Dog)

犬たちの行動に関する様々な研究によって、犬たちが、私たち人間の行動やしぐさを観察し、問題解決や目的を達成するために役立てていることがわかってきています(*, **, ***)。 犬たちが持つ、そうした社会的学習の能力を活かし、「動きを真似る」という概念を犬と共有して、コミュニケーションを測り、行動を教えるトレーニング手法が「Do As I Do(私の真似をして)」です。

複雑な行動の場合、シェーピングよりも効率的に教えられることから、介助犬のトレーニングなどで役立つのではないかと考えられています。

また、Do As I Doは、その楽しさも魅力。愛犬との新たな交流が楽しめるツールになります。複雑な行動を教えるためではなく、単に愛犬と楽しむことを目標に、取り組むのもおすすめです。

社会的学習(Social Learning):他者を観察すること、もしくは、他者との交流によって、情報や行動を習得すること。
合理的模倣(Functional Imitation):例えば、物を拾い上げる動きの場合、人は手を使うが、その動きを真似する犬は口を使う。身体構造が人とは異なるため、まったく同じ動きにはならないが、犬たちは、類似する方法を使って、人と同じ目的を成し遂げる。

DVD “Do As I Do: A New Training Method Based on Social Learning” より

Do As I Doとは

Do As I Doとは、「私の真似をして」という意味

  1. 人が見本の動きを見せる。
  2. 「Do it!」のキュー(合図)で、犬は同じことをする。

こちらが実際の様子。

人が見本を見せて、犬に真似させる。なんだか簡単そう…にも思えますよね。でも、トレーニングのプロフェッショナルでも、その教え方の手順をすぐにイメージできる人は少ないと思います。それは、犬に教えるのが『行動』ではなく、「今したことを真似する」という『概念』だから。行動を教えるよりも、難易度が高く、その意味に気付かせるためには、犬のスムーズな理解を助けるために考えられた手順(プロトコール)と、エラーレスの反復とステップアップが必要です。

考案者 Claudia Fugazza

実践的なトレーニング手法(プロトコール)を確立し、発表したのは、先ほどの動画にハンドラーとして登場しているイタリアのドッグトレーナーClaudia Fugazza。イタリアのピサ大学で、コンパニオンアニマルの動物行動学とドッグトレーニングの修士号を持ち、現在は、ハンガリーのブタペスト大学の動物行動学の博士課程に在籍、Ádám Miklósi博士元で学びながら、イタリア・コモにあるHappy Dog Schoolので、一般のコースの指導や、行動問題のカウンセリングを行い、また、ピサ大学とパドヴァ大学では、犬の社会的学習について教えています。

プロトコールの概要

  1. Do As I Doを犬に教えるためのプロトコール(概要)
    1st Phase:行動を真似するというルールに気付かせ、「Do it!」のキューは、「今した行動を真似して」という意味だと理解させる。
    2nd Phase:行動を真似するというルールの汎化。
  2. Do As I Doを使って新しい行動を犬に教えるためのプロトコール(概要)
    行動を真似させ、新しい行動を実行させる。その後、実演と「Do it!」のキューを、行動のキューに置き換える。

報酬ベースのトレーニング経験が必要

教えるためのプロトコールのステップも、使うテクニックも決して難しくありませんが、報酬ベースのトレーニング経験が、人だけではなく、犬にも必要です。犬自身が考え、自発的に行動しなければ、プロトコール通りにやっても「人の真似をする」という正解にたどり着くのが難しいからです。

例えば、指示以外のことをしたら罰を与えられる罰ベースのトレーニングを受けてきた犬たちの場合、罰を回避することに専念しているため、自分で考えて行動するという発想を失ってしまっていたり、自発的な行動を自ら抑えてしまったりします。また、飼い主がいつも先回りして問題を解決してしまっている場合も、犬は問題を自分自身で解決するという経験をしていないため、自分で考えて、行動してみるという発想に至ることがなかなかできません。

こうした犬たちの場合、Do As I Doのプロトコールを実施する前に、報酬ベースのトレーニングを通して、自ら選択し、その選択が評価されるという経験をさせ、「自分で考え、行動していい」ことに気付かせるプロセスが別途必要になるでしょう。

Do As I Doを楽しんでいる犬たち

ルールを理解した犬たちは、やる気満々!楽しそうに動きます。

飼い主はもっと楽しそう!思っていることが通じた!同じことを考えている!と実感できる瞬間と、そのうれしさは、報酬ベースのトレーニングの醍醐味ですからね。

次はどんなことをやってみようかと考えるのも、楽しい!

Do As I Do、面白そうではありませんか?愛犬との新たなコミュニケーションを楽しむために、挑戦してみてはいかがでしょう?

詳しく知りたい、やったみたいという方は…

Do As I Doメソッドの、誕生の背景とプロトコールの詳細について学べるセミナーDVD(英語)は、Tawzer Dogで購入可能です。

訪問レッスンを受けていただいている方には、レッスンの中で指導&サポートいたします。チャレンジしてみたい!という方は、お知らせください。なお、残念ですが、視覚による認知が必要なため、ブラインドドッグたちには教えられません。

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