マンションの大規模修繕工事!愛犬のためにできること

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我が家のある建物でもいよいよ始まりました。大規模修繕工事。

マンションの大規模修繕は世帯数の多いマンションの場合、3ヶ月以上も続きます。

金属板やパイプなどがぶつかりあう音。建物壁にドリルで穴をあける大きな音、窓の外には足場が組まれヘルメットをかぶったお兄さんたちが右へ左へと動き回ります。ベランダ内で機械や工具を使った作業も行われます。

いつもはいない場所に人が姿を現し、聞き慣れない音が響き、突然大きな音がしたりもします。犬たちにとっては視覚的にも聴覚的にも大きな刺激になることばかり。戸惑ったり、不安や恐怖を感じるのも当然です。ストレスが増し、吠えるようになったり、遊びが乱暴になったり、物を壊したり、排泄が上手にできなくなってしまったりするコもいるでしょう。

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今回は、修繕工事の間の犬たちの不安軽減を助け、快適さを維持するための環境作りと簡単なトレーニングをご紹介します。


1.避難場所を用意する

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犬が怖いと思ったときに逃げ込める場所を用意します。こういう時にも役立つのがクレートです。

クレートを使ったことがない場合は

クレートを好きな場所にするのは難しくありません。愛犬の体のサイズに合ったクレートを用意し、部屋に置きっぱなしにしておいて、そこで食事やおやつを提供します。フードボウルやおやつをその中に置くだけです。はじめは首を延ばして中のものを食べていてもかまいません。大切なのは毎日続けること。大切なのは中に入ることを急かしたり、無理強いしたりしないこと。クレートの中に自ら入ってくつろぐようになるまで続けましょう。愛犬がその中にいる間は一切構わないようにしましょう。

扉は開けっ放しにします。扉は外しておいても構いません。扉を閉める練習をするのは、そのコがその中にいることが好きになってからです。

他にもクレートの中を好きな場所にする方法、クレートに入ることを教える方法は色々とありますが、「クレートの中の価値」を一気に高める方法もおすすめです。詳しくはこちらの動画(解説英語)でご紹介しています。ブラインドドッグのためのトレーニングと題していますが、目が見える犬たちも同じ方法で教えられます。教える時間を取れる方、工事がすでに始まってしまっている方は試してみてください。

クレート内の環境

クレートの中は心地よく落ち着ける環境にしましょう。まずは清潔であること。そして、個々のワンちゃんの好みに合わせたアレンジを。板の間で寝るのが好きというコであればそのまま何も敷かずに、ふわふわしたところで寝るのが好きなのであれば、クッションやタオルを敷くといった具合に、普段そのコが好んでいるのはどんな場所かを考えて、心地よい環境作りを工夫してみましょう。お気に入りの毛布やタオルがあれば、それを入れておくのもいいでしょう。

毛布やバスタオルを掛けて外部の刺激を軽減
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クレートに毛布やバスタオルを掛けると視覚的聴覚的どちらの刺激も軽減されます。夏はクレート内が暑くなる可能性があるので、掛け方を工夫して風の通り道を作ったり、エアコンの温度を調節するなどして、配慮してください。

クレートの設置場所

クレートは愛犬がいつでもアクセスでき、かつ、ベランダや大きな窓から離れた場所に置きます。クレートの出入り口が窓と向かい合わないようにしましょう。建物に穴をあけたり、壁をたたいたりするような作業が響いてくる可能性を考えて、壁から少し離しておくといいでしょう。

セカンドクレートの検討

普段からクレートを使っていて、それが外の作業が気になりやすい場所にあるのであれば、もうひとつ、クレートを用意して、窓やドアから離れた場所や部屋に設置することを検討しましょう。怖くていつものクレートに戻れないような場合やそのクレートの中で落ち着けないような状況のときでも、もうひとつのクレートの中で過ごすことができます。新しいクレートが設置されたことを知らせ、そこも安心できる場所だということを伝えるために、新しく設置したクレートの中で何回か食事をさせるといいでしょう。

エイドステーションにする
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不安で設置したクレートから離れられなくなる可能性がありますので、クレートの横に水も用意しておきましょう。トイレも失敗してしまうようであれば、トイレスペースも新たにクレートの横に作ります。

必要なものを一カ所にまとめて設置しておくエイドステーションは、こちらの記事で、ブラインドドッグにおすすめの方法としてご紹介していてますが、場所や状況に不安を抱えているすべての犬たちをサポートできます。


2.音楽やラジオをかける

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静まり返った中では小さな音も気になり、また、いきなり音がするとびっくりしてしまいます。それを回避、軽減するための対策として、音楽やラジオをかけておくことをおすすめします。留守番させる時だけではなく、どなたかが家にいる場合もつけておくといいでしょう。

音楽をかけることを検討されるなら、おすすめはThrough a dog’s earシリーズです。ピアノで奏でられる犬が落ち着けるテンポのクラシックです。私たち人間が聞いていても心地よく、作業等の邪魔になることもありません。心地いいテンポなので、眠くなってしまう可能性はありますが…。我が家ではお留守番ミュージックとしてこのバージョンを使っています。最新シリーズはiTunesでも入手可能。


3.カーテンを閉める

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窓のすぐ目の前を人が行き来するのは当然気になります。カーテンを閉め、視覚的な刺激を遮断しましょう。留守番をさせる時はカーテンを閉めて、電気を点けて出掛けましょう。カーテンを閉めることで、外からの音の刺激も軽減できます。

作業が行われる場所は日々変わるので、その日に行われる作業の内容や場所を事前に確認して、人が通ったり、作業の様子が見える部屋のカーテンは家族がいるときも閉めるようにします。その部屋には入れないようにするという選択もあるでしょう。対処は吠えさせてからではなく、吠える前にする。望ましくないことはさせない!そのための環境作りはトレーニングの基本、最優先事項です。


4.パズルトイ

不安や退屈から余計に作業の音に余計に集中してしまう場合があります。退屈さや軽度の不安感を解消させるには、夢中になれる遊びを提供するのがイチバン!吠えるなどの望ましくない行動を起こさせる前に、コングなど食べ物を入れたり詰めて遊ばせるパズルトイを使って「他の仕事」を提供しましょう。

パズルトイや、詰める食べ物の内容、詰め方は、そのコに合ったものを選択しましょう。鼻で突っつくのが好きなコ、前足を使うのが好きなコ、すぐに口で持ち上げて投げようとするコ、遊び方の好みも色々です。また、コングの奥底に残った小さなトリーツのかけらをいつまでも一生懸命取ろうとするコもいれば、すぐにあきらめてしまうコもいます。

簡単すぎても難しすぎても意欲は続きませんので、愛犬のタイプに合わせて工夫をしましょう。いつまでも飽きずにコングをなめているようなコには、フードを詰めたコングを凍らせておくのがおすすめ。すぐに飽きてしまうコには、コングをタオルで包んだり隠したり、コングにアクセスできるまでに時間がかかるようにしてみましょう。遊ばせ方の例はこちらの記事と動画をご覧ください。

変化も意欲の維持に貢献してくれますので、種類の違うパズルトイをいくつか用意して、日替わりで使うのもおすすめです。


5.音に敏感に反応してしまうコには積極的なアプローチをプラス

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大きな音や未知の音が元々苦手なコの場合は、音に対する印象を変える積極的に変えるアプローチをプラスしましょう。工事がはじまってから気にするようになったというコにも。

やり方は簡単。外で大きな音や変わった音がしたら、フードまたは小さなトリーツを一粒口に入れる、または、目の前にぽとりと落とすだけ

使うフードは、朝もしくは前夜に1日分の食事量をタッパーウエアやジップロックコンテナなどの容器に入れて計量しておき、そこから使っていくのがおすすめです。残ったフードを夜の食事として与えれば、カロリーオーバーの心配もいりません。小型犬ならば、ピルカッターなどを使ってフードを1/4〜1/2に割っておけば、さらに多くの回数使うことができます。

このアプローチのコツは、音→フードを淡々と繰り返すこと。「音」と「いいこと」を結びつけさせることが目的なので、音とフードの間はできる限り間隔を開けず、また、オスワリやオイデなどの行動は求めません。名前を呼ぶ、褒める、なだめるなど「声をかけること」もしないようにします。

愛犬が大きな音がした時に、音のする方向を見るのではなく、トリーツを探したり、飼い主さんの方を見るようになったら作戦成功です。音への不安よりもトリーツへの期待が勝った、つまり、不安が和らいだ証拠です。音に対して不安な様子を見せなくなったら、このアプローチは終了していただいても構いません。ただ、不安が全くなくなったということではありませんので、また何かのきっかけで不安のレベルが上がることもあります。不安を感じているかなと思ったら、またすぐにアプローチを再開しましょう。

このアプローチを終了すべきか迷う場合は、ぜひそのまま続けてください。強化の歴史は積み重ねておいて損はありませんので、愛犬が音に不安を示さなくなっても、工事が終わるまで継続していただくことをおすすめします。

音に対して間髪入れず吠えてしまうような場合は、単純にこの方法を当てはめてしまうと逆に吠えが増してしまう可能性があります。工事が始まる前に(もう始まってしまっているなら今すぐに!)、報酬ベースのトレーニングを指導しているインストラクターやトレーナーに、そのコの状態に合った対処方法を教わりましょう


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