トレーニングにおいて「資源(resource)」とは、食べ物やおもちゃといった物だけでなく、遊びの時間も、くつろぐ場所も、犬たちが得ているすべてのものをさします。そして、犬の健康と安全を守り、好ましい行動を教え、良い関係を築くためには「資源」を適切に管理することが不可欠です。
「適切に管理する」とは、決して人間側の都合だけを優先して、犬に無理強いすることではありません。大切なものを奪われたくないと思うのは人も犬も同じ。もし、無理矢理取り上げていたらどうなるでしょう。人が自分が大切に思っていることに気づいていないのかもしれないと犬が考えれば、ウーっと唸って嫌だよと伝えようとするでしょう。奪われないようにしなければと考えれば、噛みつこうとするような攻撃的な行動を試してみるかもしれません。飼い主に見つからないようにしようと考えれば、こっそりやることにするでしょう。それで奪われないことを経験すれば、こうすればいいんだと確信するでしょう。こうして、あっという間に望ましくない学習や行動は誕生します。
「資源」を適切に管理するためには「犬が損して終わらないようにする」ことが大切。
私は「常にwin-winの関係を」と表現したりしますが、ご紹介する動画を制作したUKのドッグトレーナーChiragさんは「Give and Take」と表現しています。
「何かをこちらに譲ってくれたら、そのお返しをしましょうね。」ということです。そうすることで、自分の大事なものを奪っていく人と思われないだけでなく、「諦めること」に価値を与え、小さな我慢を繰り返し経験させることで、セルフコントロールを身につけさせることにも繋がっていきます。そう!無理強いしないこと、win-winの関係、Give and Takeは、いいことずくめというワケです。
自分の気持ちを無視して無理矢理何かをする人に対して信頼という感情は生まれませんよね。犬が安心して大切なものを預けられる飼い主でありたいものです。無理強いは百害あって一理なし。


