ブラインドドッグのための6つの音の合図と成功のカギ(動画)

年末年始に楽しんでもらえるように、編集を終えてupするつもりだったのですが、予想以上に時間がかかり、年が明けてからのupとなってしまった新しい動画。そして、upした後で、とても大切なことを書くのを忘れていたことに気づきました。YouTubeは動画の差し替えができないので、今、ひどく後悔しているところです。

今回制作した動画は、ブラインドドッグ(目の見えない犬)のトレーニングや日々に役立つ「音の合図」をテーマにしたもの。実際に使っている6つの音の合図と、基本となる教え方を紹介しています。

視覚を失った犬たちに何かを教える場合に、「犬は鼻がいいから、匂いをうまく使えばいいんじゃないの?」と思われがちですが、匂いよりも音の方が、明瞭・明確なため、プロンプト(行動を引き出すためのヒント)としても、キュー(合図)としても、ブラインドドッグたちに親切でわかりやすいのです。匂いは広がり、拡散してしまうため、明確に場所や位置を伝えるのは難しく、物そのものの匂いではなく、エッセンスなどの匂いを加えてしまうと、かえってブラインドドッグを混乱させてしまいます。また、匂いは角や壁際に集まってしまうので、勢いよく匂いを追った場合、壁や家具に激突してしまう危険もはらんでいます。

そして、動画に盛り込むのを忘れてしまったのが、こちらの「成功のためのカギ」です。

ブラインドドッグに音の合図を教えたり、使ったりする場合、もっとも大切なのは、その音を好きにさせること。その音を好きになれば、その音はその犬にとって重要なものとなり、その音に注意を払うようになり、自分の能力を最大限に発揮し、根気強く音を追ったり、音が示す場所を見つけようとするようになります。

なぜ、ブラインドドッグのトレーニングの成功のカギについて、BlindDogTraining.comのブログではなく、このブログでわざわざお伝えするかというと、これはどんな犬の、どんなトレーニングをする場合にもあてはまるからです。

行動や合図を「好きにする」「その犬にとって魅力的なものにする」というプロセスをないがしろにして、形だけを求めてしまっていると、行き詰まることがあります。完成形や目標を明確に持つことは非常に大事です。でも、犬がそうしたいと思う気持ちが置き去りになってしまってはうまくいきません。「犬がそうしたい」と思う気持ちは、それと同じくらい大切です。

何かを教えるときに、形を求めるあまり、犬に失敗を繰り返させたり、やり直させたりして、やる気を萎えさせてしまってはいませんか。それではいくらご褒美を使っていても、楽しいトレーニングとは言えません。

それに、犬に「そうしたい」と思わせてしまえば、どうしたら達成できるかは犬自身が考えられるのです。レトリーブで言えば、ダンベルをどうしても飼い主に渡したいと思わせれば、取りに行く方法や戻ってくる方法を教える必要はありません。ブラインドドッグの場合は、加えて視覚以外の感覚でダンベルと戻ってくる場所を認識、理解できるようサポートすればいいのです。

実は行動を形としてはやく完成させることを目指すよりも、犬が「そうしたいと強く思う」ように工夫し、その段階で不安なく成功を重ねられるように、しっかり繰り返して練習する方が成功は近くなります。また、犬が「そうしたいと強く思う」ことで、その犬が持つ能力が最大限に発揮され、その犬にとって難しいことも乗り越えられるのです。