ノーリードの犬への対処法(Sara Reusche, CPDT-KA, CVTブログ記事日本語訳)

元の記事:Dealing With Off-Leash Dogs by Sara Reusche, CPDT-KA, CVT (Paws Abilities Dog Training, LLC)
訳:齋藤美紀, CPDT-KA


リードを付けている犬が、ノーリードの犬に走り寄ってきてほしくない理由はたくさんあります。ノーリードの犬たちは、反応してしまいやすい私の生徒(犬)たちの生活における、まさしく悩みの種。シニア犬、特に手術や病気、怪我から回復しつつある犬たちや、シャイな子犬、恐がりな犬たちも、ノーリードの犬に目をつけられて、困らされたり、ひどい目に遭わされたりします。他犬に対して友好的な犬であっても、一方はリードにつながれ、もう一方はまったく制限がないような、社会的に不公平な状態での交流を、快くは思わないでしょう。リードは多くの問題の原因になります。

photo by Chriss

では、ノーリードの犬に走って来られたとき、あなたはどうすればいいのでしょう?まず、理解しておくべきことがあります。それは、どんなときも愛犬を守っていいということです。ほとんどの(アメリカの)都心と近郊地域では、犬にリードを付けることが法律で定められています。また、リードを付けておくことは、愛犬の安全を守るための正しい選択です。そして、あなたには、ノーリードの犬について地元の担当組織に通報する権利があります。ノーリードの犬は、あなたや愛犬を脅かすだけではなく、交通事故などの危険にさらされています。この国で生活する限り、自分の犬を管理すべきです。また、近所の犬や見ず知らずの野良犬が自分の敷地内に現れ、あなたや愛犬に立ちはだかる場合、あなたはそれを止めさせるための策を講じることができますし、そうすべきなのです。

ノーリードの犬が、あなたに近づいてきていることに気付いたときに、まずすべきなのは、飼い主がそばにいるかどうか、状況を見極めること。飼い主がいたら、犬を呼び戻すように言いましょう。「うちの犬は大丈夫」と、答える飼い主は少なくありません。自分の犬の行動とは関係なく、そう言うのです。例えば、制御できない状態であっても、あなたやあなたの愛犬を困らせていても…です。困ったものです。「うちの犬は他の犬が苦手で」とか、「シャイなの」「トレーニング中で」「今はちょっとあいさつしたくないみたい」と言って、うまく切り抜けることができた人もいます。私が聞いた中で、一番効果的なのフレーズは「うちの犬、伝染病を持っているわよ!」です。相手にすぐに自分の犬を呼び戻させたいときに大声で叫びます。私は、普段はうそを言うことを許したりしませんが、それで状況を悪化させずにすむのであれば、いいうそということになるでしょう。

ノーリードの犬の飼い主が、自分の犬を捕まえることができなかったり、捕まえようとしない場合や、飼い主が見当たらない場合は、愛犬と接触させるべきかどうかあなたが決めることになります。攻撃的であれば介入するけれど、野放し状態であっても、友好的な様子であれば、愛犬に近づくことを許すという人もいれば、リードを付けている状態の愛犬に、見ず知らずの野放しになっている犬を近寄らせたりしないという人もいます。はじめは友好的に見える犬であっても、匂いをかぎ合っている間に攻撃的になったり、ぶつかってきたり、飛びついたりして、あなたの愛犬を傷つけることがあります。私の犬は、とても社交的で、他の犬に対して友好的ですが、野放しになっている犬の前にさらすようなことはしません。そういう状況に、彼女を置くのは、フェアではないと思うからです。私は、野放しになっている犬との間に必ず入って、彼らに対処するのは私であることを、自分の犬たちに教えています。愛犬たちが自分たちで対処しなければいけないような状況にならないように。

では、あなたと愛犬の方に突進してくる犬をどうやったら止められるでしょう?戦略はいくつかあります。私は、その時の状況によって、もっとも効果的と思う方法を選んでいます。すぐに使えるいくつかのアイデアをこれからご紹介します。

こちらに来させないようにする、もっとも犬のために優しい方法は、野放しになっている犬に、他にやりがいのあることを与えること。楽しそうに、はしゃいでいるような犬は、「オスワリ(スワレ)」を命じると、あっさり止められたりします。それに従わないようなときは、ひとつかみのトリーツを軽く放り投げます。その犬が、投げたトリーツを食べることに夢中になっている間に、あなたと愛犬はその場から離れることができます。投げたトリーツに気付かない場合は、ひとつかみのトリーツを犬の顔に向かって放ればいいのです(もちろん、目的はハッとさせることで、傷つけることではありません)。顔に当たったものが何なのかを確かめるために、その犬が止まれば、地面にたくさんの食べ物が落ちていることに気付いて、あなたの犬の方に走ってくることよりも、食べることに意識を向けるでしょう。この方法は、私の近所の何頭かの犬たち、元気が有り余っているラブラドールとピットブルにはとても効果がありました。彼らが再び近寄って来ないようにすることはできませんが、あなたの愛犬への干渉を避けるためにできる、もっとも親切な方法です。力に訴える方法を取ることによって生まれる、副作用の可能性もありません。

このアイデアでは効果がないときや、実行することが難しい時(例えば、トリーツを使い果たしてしまっていたり、愛犬が食べ物を守るために攻撃的になる可能性があったり、この方法ではやってくる犬を制止できそうにもないと思う場合など)は、野放しになっている犬をハッとさせることを試みてみましょう。近づいてくる犬と、愛犬の間に割って入り、体を使ってブロックします。肩をいからせ、姿勢を正し、毅然と、低い声で「ダメ!」や「トマレ」、「マテ」といいながら、警察官が車を止めるときのように手を前に突き出します。傘を持って歩くことができるなら、走ってくる犬の方に向かって傘を開くという方法もあります。近づいてくる犬をハッとさせられるだけではなく、物理的かつ視覚的なバリアを作ることができます。私のクライアントの一人は、ワンタッチでバンッと開く傘に大きな目を描いていました。それに、近所に住む強引なパグルはとても驚き、二度と彼女の愛犬の後を追いかけてこなくなったそうです。

スプレーを使うのも、野放しになっている犬を近づけないための簡単な方法のひとつです。スプレー・シールド(Spray Shield)は、シトロネラを使ったPremier社製またはPetSafe社製の商品。ほとんどの犬にとって、嫌なものですが、犬たちを実際に傷つけることはありません。こちらに向かってくる犬に直接吹きかけることができます。私は、散歩のときに携帯して(私の犬を攻撃するつもりの犬を含めた)明確な決意を示して近づいてくる犬を引き下がらせるために使います。空気を噴射するスプレー(エアダスター)でも、同じように使い、効果があったという人もいます。スプレー・シールドは、犬同士のケンカを止めるのにも役立ってくれます。制止することができず、ケンカに至ってしまったとしても、戦闘モードになっている犬を力づくで引き離すよりも、安全にケンカを止めることができます。

野放し状態の犬への対処するために、計画を立てておくだけではなく、自分がすべきでないことを理解しておくことも重要です。間違っても、トウガラシスプレーは使ってはいけません。痛みによって、犬がより攻撃的になることがあるからだけではなく、風の向きが悪ければ、あなたやあなたの愛犬の顔や目にかかってしまいます。無力な状態で、走ってくる見知らぬ犬に身を任せることになるなんて、陥ってはいけない事態です!走って逃げることも、通常勧められません。なぜなら、あなたを追いかけるよう、犬たちをけしかけるだけだからです。愛犬を抱き上げることも、大抵の場合、得策ではありません。起こりうる危険を予測し、覚悟していたとしても。愛犬を抱き上げることによって、あなたは更なる危険にさらされることになり、あなたの愛犬は、さらにノーリードの犬の興味を引いてしまいます。

肉体的なダメージを与えることで頭がいっぱいになっている、本当に攻撃的な犬たちのケースは、まれではありますが、存在します。もし、あなたの愛犬が小型犬で、ノーリードの攻撃的な犬に突進してこられたら、愛犬を拾い上げ、どこか安全な場所に放り込むといいでしょう。例えば、近くのゴミ箱の中や、フェンスで囲まれた庭の中、トラックの荷台、車の屋根の上などへ。これらの選択肢のいくつかは、あなた自身のためにも、利用することができるでしょう。あなたの愛犬が大きな犬であったり、他の選択肢が見つからない場合は、愛犬のリードを自分が持ち続けるべきかどうかを見積もる必要があるでしょう。愛犬が自分でその犬から逃げたり、身を守ることができるので、リードを手から離した方が、安全な場合もあります。

野放しになっている犬が、攻撃の矛先をあなたに向けてきた場合は(まれではありますが、起こっています)、頭と首を守りましょう。スプレー・シールドでは、もっとも攻撃的な状態になっている犬たちを止めることはできないでしょう。通常、こうした犬たちは、物理的に被害者から引き離されない限り、止めることはできません。私のクライアントの一人は、飼っていた小型犬の一頭を、フェンスを飛び越えてきた超大型犬によって殺されてしまいました。それから、出掛けるときにはステッキを持ち歩いています。事故当時、ステッキがあったとしても、愛犬を守ることはできなかったかもしれませんが、攻撃してくる犬を食い止めるために使えるものを持っていることは、彼女に安心感を与えてくれるのです。

どんなケースでも役に立つ唯一の方法というものは存在しません。あなたが多くの選択肢を持っているほど、よりうまく愛犬を守ることができるでしょう。いつでも愛犬を守っていいということを忘れないでください。実際、私の愛犬ライラに向かってきた、ノーリードの攻撃的なシェパードに、私がスプレーを吹きかけてから、散歩中のライラの他犬に対する反応は、目に見えて減りました。ノーリードの犬が彼女に近づいてきたとき、彼女はうなったり、飛びかかろうとするのではなく、私の後ろに隠れるようになりました。そうした事態への対処を、私に任せるようになったです。

あなたの愛犬が、リードを付けていないときも、常に信頼できる犬であったとしても、あなたの愛犬の自由によって、周囲にマイナスの影響を与えてしまっていないか、注意を払ってください。あなたの愛犬が、他の犬に走って行こうとするのであれば、リードを付けておくか、安全な塀の後ろにいさせてください。間違った犬のところに駆け寄って、噛まれてしまう可能性があるだけではなく、車やバイクにはねられたり、驚いた飼い主が、愛犬を守ろうとして、傷つける可能性もあるのです。危険を冒す価値などありません。

あなたやあなたの愛犬のところへ、ノーリードの犬に走って来たことはありますか?それに、どうやって対処しましたか? あなたの身に起きた出来事や、ヒントになること、それから、質問も、ぜひここ(元記事コメント欄)に書いて、教えてください!

筆者プロフィール About Sara

Sara Reusche, CPDT-KA, CVTは、アメリカ・ミネソタ州、ロチェスターにあるPaws Abilities Dog Training, LLCのオーナー兼トレーナー。トレーナーとしてだけではなく、トリマーや動物看護士として、また、デイケアやシェルターでの世話係として、犬たちと関わる仕事をしてきました。現在は主に、深刻な行動問題に取り組み、特に、反応しやすい犬たちや恐がりな犬たちに思入れを持ち、助けています。教えることが好きで、執筆や講演の分野でも活躍しています。3頭のミックス犬と暮らしています。

Thank you Sara for your great article and permission to translate and post on this blog!