それ、ボールって言うの?犬たちは人とは違う方法で物と言葉との結び付きを学習している(ScienceDaily記事日本語訳)

私たちと犬たちでは、感じ方や捉え方が違うことを示した新しい調査に関する記事がScienceDailyに掲載されていましたので、日本語訳しました。人と犬には同じところも違うところもあることを知り、理解することは、よい関係作り、お互いに快適な暮らし作りには欠かせません。犬たちについて、私たちはまだまだ知らないことがたくさんあることも。


科学者たちが、類似するたくさんの選択肢を5歳のボーダーコリーGableに提示したところ、短いトレーニング期間の後、彼が物の名前とその大きさとを関連付けて学習していることを発見した。より長い期間、1つの名前と1つの物に触れていた後には、言葉と形が似た物のとではなく、言葉と質感が似た他のものとを結び付けて学習していた。


ScienceDaily (2012年11月21日) — オープンアクセスジャーナルPLoS ONEに公開された、イギリス、リンカーン大学のEmile van der Zee氏とその仲間の調査によると、犬たちの物と言葉を結び付けて学習する方法は、人間のそれとは違っているという。

これまでの研究で、2〜3歳の人間の場合、一般的に大きさや質感とではなく、物の形と言葉を結び付けて記憶することが示されている。例えば、「ボール」は何かを学習した幼児が、その後、形が似た物、大きさが似た物、質感が似た物の前に行くと、同じサイズや同じ質感の物ではなく、形が似た物を「ボール」と認識する。

以前の犬を用いた調査では、犬たちは言葉と物のカテゴリー(「おもちゃ」など)を結び付けて学習できることは示されていたが、彼らの学習プロセスが人と同じかどうかはわからなかった。

この新しい研究では、この「形への偏重(shape bias)」が犬においても存在するかどうかを知るために、類似する選択肢を5歳のボーダーコリーGableに示した。短い期間のトレーニングの後、彼らはGableが他の似た大きさの物を同じ名前で認識していたことから、物の名前と物の大きさを結び付けて学習していることに気付いた。より長い期間、1つの名前と1つの物に触れていた後では、Gableは言葉と似た形の物とではなく、言葉と似た質感を持つ他の物とを結び付けて学習していた。

著者たちによると、これらの結果は、犬たちが(少なくともGableは)、人とは性質の異なる方法で、言葉と物を扱い、結び付けていることを示しているという。これは、人と犬の形、質感、大きさ、それぞれを把握する知覚を、進化の歴史がどう形成してきたかの違いによるものかもしれないと、彼らは加えて言っている 。

結論:
愛犬が「ボールを持って来て」という指示を理解しているとしても、愛犬はその言葉を聞いた時に、あなたが思い浮かべているのとはまったく違う方法で、「その物」を思い浮かべているかもしれないのです。「私たちにとっては形が問題であり、愛犬にとっては大きさや質感が問題である。犬の言葉の理解は人の言葉の理解と比較して性質的な違いがあることを、この研究が初めて示した。」と、著者たちが説明しているように。


Public Library of Science (2012, November 21). Call that a ball? Dogs learn to associate words with objects differently than humans do. ScienceDaily. Retrieved November 27, 2012, from http://www.sciencedaily.com­ /releases/2012/11/121121210253.htm


References

元の記事:
Call That a Ball? Dogs Learn to Associate Words With Objects Differently Than Humans Do
by Sally Smith
記事の元となった調査:
Word Generalization by a Dog (Canis familiaris): Is Shape Important? PLoS ONE 7(11): e49382. doi:10.1371/ journal.pone.0049382
by Emile van der Zee1, Helen Zulch, Daniel Mills
別の記事:
For Word Learning, Size Matters If You’re A Dog
こちらの記事では図や動画とともに実験の方法がまとめられていて、詳しい様子を知ることができます。